本で読んだ、アメリカのある学生を紹介します。
彼はどこにでもいる、
平凡な青年の一人でした。
ある年の夏休みに彼は、
商店やオフィスに保険のセールスをしようと考えました。
彼が様々なアルバイトの中から保険のセールスを選んだのは、
それがいちばん難しそうな仕事に思えたからです。
たとえ成績は上がらなくても、
難しい目標にチャレンジした経験は、
学校を卒業して就職をするときにプラスになる、
と考えたのです。
彼はまず会社が準備した、
二週間の短期トレーニングに参加し、
そこで四つの基本を学びました。
彼が学んだ四つの基本とは、次のようなものでした。
第1は、
セールスマンとして、
このトレーニングの期間中に学んだ習慣は、
トレーニングが終わったあとでも、
セールスマンを辞めたあとでも、
生涯についてまわる経験になるということです。
もちろんそれは、
彼が望んだことでもありました。
第2は、
セールスの対象をつかんだときは、
成功するまでトライをするということでした。
遊び半分のセールスは、
お客に対しても失礼であり、
それは他人の時間を盗む行為です。
人生で他人の時間を盗むことを何とも思わない人は、
結果的には成功せずに失敗するというのが、
彼の学んだことでした。
(ホントにそうですよね)
第3は、
目標を高く持つ、ということです。
努力せずに達することができる目標は、
目標ではなく単なる予定にすぎません。
(とても参考になるフレーズですね)
低い予定に到達したから、
ということで努力を放棄すれば、
その人は、
今度は自分自身の時間を盗む愚か者になってしまいます。
第4は、
彼にとって最も魅力的な法則でした。
それは自己動機づけという積極的な心構えの活性化の方法でした。
必要になったら、
「私は健康だ!」
「私は幸せだ!」
「私は快調だ!」
という自己動機づけを使い、
自分自身を動機づけ、
希望する方向に積極的に行動することでした。
以上が、
彼が学んだ、セールスマンとしての基本的な心構えでした。
彼は最初の考えを少し変えて、
そのアルバイトの中で賞をとろうと考えました。
先輩との若干の同行訪問のあと、
彼は目標達成の対象を特定しました。
受賞の資格は、
週に最低100の契約を取ることです。
六日間で、一日あたり17件。
金曜日の夜がきたとき、
彼は80件のセールスを成功させていました。
しかし、
目標達成までにあと20件足りません。
仲間は、
まず目標の達成はだめだろう、
と言っていました。
「明日は土曜日だ。
オフィスはほとんどが休みだ。
商店も、決定権を持っている人たちは、留守が多い。
20件は困難かもしれない」
と彼は考えました。
しかし、
それが自分の目標達成の障害になるだろうとは、
彼は考えませんでした。
彼はトレーニングで教えられたことを信じていました。
「積極的な心構えを心に抱けば、信じることは必ず達成できる!」
ほかのセールスマンたちは、
金曜日の夜で仕事を打ち切ってしまいました。
しかし、彼だけは、
土曜日の朝から仕事に戻りました。
土曜日の午後三時まで、
仕事は何一つまとまりませんでした。
彼は教えられたことを思い出しました。
セールスというのは、
セールスマン自身の見込みで決まるのではない。
彼の態度次第で決まるのだ、と。
午後五時になった時に、
彼は三つのセールスに成功していました。
目標まであと一七件!
それは、
彼が賞にチャレンジしようと決めたときの一日の目標件数でした。
しかし、
週末までには、
あと数時間しか残っていません。
しかし、
彼はあきらめませんでした。
彼は
「成功は、
積極的な心構えを持ち続け、
たゆまざる努力を続ける者によって達成される」
という言葉を思い出したのです。
その夜の11時に、
彼は疲れていましたが、
気分は最高でした。
その日、
20件目のセールスをやり遂げたのです。
彼は賞をとりました。
そして、
努力を続けることで
成功を勝ち取るということの素晴らしい経験を学んだのでした。
彼は、
アブラハム・リンカーンが言った言葉、
「人は自分が幸せになろうと心に決めた、その分だけ幸せになる。」
という言葉を、
知識としてではなく、
体験として覚えたのです。