いったいこの暑さはいつまで続くのでしょう。
暑さ寒さも彼岸まで。
と言いますがもうすぐ9月、秋彼岸の季節です。
お彼岸の期間にはお墓参りをして、
故人やご先祖さまを供養しますね。
秋彼岸の時期は
「秋分の日」を中心とした前後3日間の計7日間を指し、
今年の日程は下記のとおりです。
彼岸入り:9月20日
中日 :9月23日(秋分の日)
彼岸明け:9月26日
この時期、道端などでひと際目を引くのが「彼岸花」。
秋彼岸のシンボルともいえる花ですが、
不吉なイメージを持つ方も多いですよね。
今回は意外と知られていない彼岸花の豆知識をご紹介します。
読んでいただくと彼岸花の印象が変わるかも?
彼岸花の生態
彼岸花というのは日本における名称で、
開花時期は9月中旬、
ちょうど秋彼岸の頃です。
実は国内で見られる彼岸花には種子がなく、
誰かが球根を植えるか、
球根が分かれなければ増えません。
(原産地である中国の彼岸花には種子ができるそうです)
開花時期には葉がなく、
花が終わると地面から葉が顔を出します。
花と葉を一度に見ることがないなんて不思議な感じがしますね。
生育のサイクルもユニークで、
冬から春にかけて育ち、
夏に休眠、秋に開花。
一般的な植物とは逆なのです。
秋彼岸の咲く場所
先述したように人為的に植えなければ増えないため、水田のあぜ道や人里近い河原、墓地など、私たちの生活圏に見ることができます。
昔の人はもぐらが住みつかないよう植えたそうです。
また、でんぷんが採れるため飢饉に備えて植えることもあったのだとか
(毒素は繰り返し水にさらすことで除去できる)。
土葬だった時代は埋葬されたご遺体を動物に荒らされないよう、
お墓の周りに彼岸花を植えていました。
曼珠沙華(まんじゅしゃげ)
独特な見た目、
燃え上がるような赤い色、
有毒性、
お墓に咲くなどの要素が不吉なイメージを与えているようですが、
曼珠沙華(まんじゅしゃげ)という別名はご存じでしょうか。
古代インドのサンスクリット語「マンジュシャカ」が語源で、
「赤い花」という意味を持ちます。
天からお釈迦様の頭上に降り注いだ四種の花のひとつとして登場。
「その花を見た者は悪業が払われる」と説かれています。
不吉どころか清らかな存在と考えられてきたのですね。
彼岸花は私たちの身近にあり、
暮らしを守ってきた存在です。
お墓参りで見かけたら、
しばし足を止めて美しい花を眺めてみてはいかがでしょう。
生育の難しい北海道を除き、
全国各地に彼岸花の名所があります。
群生している様子は息をのむような美しさです。
関心のある方は初秋のお出かけ先に選んでみてはいかがでしょうか。