積極的な心構え。
世の中で最も幸せな人は、ほかの人を幸せにする人たちと言われています。一生のうちで最も幸せを感じるときとは、自分の愛する人を自分の力で幸せにしたと感じるときではないでしょうか。そのために払われた犠牲が大きければ大きいほど、その人は大きな幸せを感じるものかもしれませんね。誰かを、自分の意志で幸せにしたとき、心地よい幸せを感じた事はありませんか。幸せにした人が、自分の子どもであっても、妻や夫であっても、誰でもです。そして、そのために自分が大きな犠牲を払っても、それが誰か、自分の愛する人を幸せにするためのものだったのなら、私達は犠牲の痛みを感じることなく、幸せを感じるのではないでしょうか。私達は幸せにもなれるし、満たされもするし、また不幸せになることもできます。選択権は自分自身にあります。どちらになるかを決める決定要因は、自分自身が積極的な心構えを持っているか、消極的な心構えを持っているかです。そしてそれは、自分の意志でコントロールができます。
不幸せを嘆いてもおかしくない人がいたとしたら、例えばそれはヘレン・ケラー。舞台などがたくさん上演されていますから知っている方も多いですよね。彼女は生まれながら耳、口、目が不自由でした。普通の伝達手段をすべて断たれた彼女が、ほかの人に接触し、幸せや、愛されているということを経験するのには、触覚しか持っていませんでした。しかし、熱意に溢れた素晴らしい教師、アニー・サリバンの援助を通じて、耳も、目も、口も不自由な少女が、素晴らしい喜びに溢れた、幸せな女性になったのです。もし、幸せを探している人が、ほんのちょっと立ち止まって考えれば、その人が前に経験した喜びや、あるいはそれ以上に素晴らしい喜びが、足の下の芝や、朝の花々の上に降りた露のしずくのように、数え切れないくらいあるのに気がつくはずです。ヘレン・ケラーは、彼女に与えられた天の恵みを数え上げ、それらに深く感謝しました。そして彼女は、この天の恵みの不思議なものを、ほかの人に分け与えました。それは彼らに喜びを与えました。彼女は素晴らしくて望ましいものを分け与えたので、彼女自身にも、もっと素晴らしくて望ましいものを引き付けたのです。
私達が与えれば与えるほど、私達はもっと得るものがあります。そして私達が他人と幸せを分け合ったら、幸せは、私達の中でもっと豊かに育ちます。しかし、誰かがほかの人の悲惨や不幸せを分け合ったら、その人は悲惨や不幸せを、自分自身にも引き付けてしまいます。そして災いを持ってくる人は、大概いつも決まっています。いずれにせよ、それは良くないことです。彼らは、いつもほかの人に災難を分け与えているからです。
この世の中には、たくさんの孤独な人がいます。彼らは、愛や友情を本当に欲しがっていますが、全然手に入れることができません。その中には、消極的な心構えで自分の望むものを追い払う人がいます。また自分の殻の中だけに閉じこもって、あえて飛び出していこうとしない人がいます。彼らは、密かに何かいいことがやってくることを期待していますが、それをほかの人と分かち合おうという気持ちはありません。彼らは素晴らしいもの、望ましいものは、それが誰のものであれ、ほかの人たちと分け与えなければ減っていってしまうことに気がついていないのです。自分の孤独をどうにかしようとする勇気のある人は、素晴らしくて美しいものをほかの人と分け合うことに、自分の答えを見いだします。ほかの人たちと分け合うことは、ほかの人もまた、まず私達に分け与えたいと思うような人間にしてくれるのです。そういった人たちは、すぐに自分を理解してくれる人を見つけることができます。私達は、人を引き付ける人格を身につけなければなりません。それは何から始まるのかというと、それは積極的な心構えから始まります。
