今年もあと少しになりました。
クルーズ船の新型コロナに始まり、
緊急事態宣言、
GoToキャンペーン、
さらに九州の洪水など天災もあり、
インフルエンザの季節になり、
とどこか落ち着かないまま一年が経ってしまうようで驚いています。
それでも時は移ろい、
春のサクラや夏のアジサイ、
ヒグラシの声、
黄金色に染まったイチョウや渡り鳥の群れなどに季節を感じて、
それは何より心休まるものでもありました。
そうした中で、
気象庁より少し残念な発表がありました。
毎年話題にもなっている、
あの
「生物季節観測」
の対象が大幅に減少するのです。
生物季節観測とは、
初春にはウメやサクラの開花やモンシロチョウのことがニュースとなり、
また初夏にはツバメが帰ってきたと話題になったりしますが、
そうした動植物を対象に、
気象庁が毎年行っている観測のことです。
四季折々のトピックスや気候の長期的な変化を、
植物や動物の現象を調べて発表するもので、
1950年代より70年近くも続いている重要な観測です。
誰もが知っている植物や動物を対象にすることで、
多くの人々の関心を集めることができて、
自然の貴重さや環境の変化などにも気づかせてくれるものでした。
今回対象を減らす理由のひとつは、
各地の気象台や測候所の周辺の環境が変化、悪化したことだそうです。
植物は標準木を確保することが難しくなり、
また動物は対象を見つけることが困難になったため、
ということです(予算もあるようですが)。
さまざまな開発により、
動植物の生存できるところは減少し続けており、
さらに地球温暖化?
も影響しているのかもしれません。
現在、
植物は34種、動物は23種が観測対象ですが、
来年1月からは植物6種のみ
(うめ・さくら・あじさいの開花とイチョウ・カエデの紅(黄)葉・ススキの開花)
になるとのこと。
そして動物は全てが観測終了となるそうです。
早春に聞くウグイスの初鳴き、
夏の強い日差しの下でうるさいアブラゼミの声、
その年初めてカエルやホタルやアキアカネ等を見た日、
等々、
ニュースで話題になる度に、
忙しく暮らしている中でもふと季節を感じたり自然を思ったりできたものです。
しかしもうひとつ大切なことは、
環境の悪化によって生物季節観測の対象が見つけられない、
という事実ではないでしょうか。
70年続く観測の結果、
年々生物の数が減っているならば、
その変化を発表し、
ニュースにすることはとても重要だと思うのです。
もしできることならば、
今後も慣れ親しんだ植物や動物が姿を消している事実(観測結果)を知らせてもらい、
私たちが環境の変化や気候の長期的な変動を考える機会としたいものです。